3 日目はフィレンツェ。
朝、ホテルをチェックアウトして、 真っ先にフィレンツェ S.M.N. 駅に行って荷物を預けた。 昨日みたいのはもうこりごりだ。 こっちはセキュリティチェックもなくて、 2 分と待たずに荷物を預けることができた。 ローマもうこうだとよかったんだが。
さてフィレンツェのメインはウッフィツィ美術館だ。 今回は (ウェブで) 予約もしてあるので、 あんまり妙なことは起こらないだろう。
しかし、ウッフィツィ以外には何も考えてなかったなあ。 予約時間の 12:45 まで、何をしたらいいんだろう。 とりあえず、ミケランジェロのダヴィデ像があるという アカデミア美術館に行ってみようか。
▼アカデミア美術館……の行列
行列です。どことなく、コミケ会場前行列みたいだよな (例えが悪い)。
この行列を見て嫌になったので、 アカデミア美術館はあっさりあきらめることにした。
そういえば、アカデミア美術館に行く途中に市場が開かれていて、 ブランドものの怪しげなパチモンとか、安そうなおみやげものが売られていたりした。 いきなり道を変えたらまた迷うかなーと思ったが、 方向を書いた看板が随所にあるので迷うことはなかった。
で、アカデミア美術館をあきらめて、 もっと簡単に入れるところを狙うことにした。
そうだドゥオーモ行こう。
▼ドゥオーモ
ドゥオーモです。
▼ドゥオーモ
ドゥオーモです。 ここはセカチューで二人が永遠の愛を誓ったところらしい。 ちなみに、イタリアではデカいのはデフォルトなので以後省略します。
ここにも行列はあったが、教会は基本的に無料なので、 つっかえることなく行列が進む。とりあえず早く入りたかったら教会がいいね。
内部には超巨大な天井画があった。 題名は『最後の審判』だが、ここの『最後の審判』はヴァザーリ画のやつで、 一番有名な (?) ミケランジェロの『最後の審判』とは違う (ミケランジェロのはヴァチカン)。
ドゥオーモを出て、まだちょっと早いけどウッフィツィ美術館へ行ってみることにした。
▼イタリアンジェラート
途中、ジェラート屋がたくさんあったので、今日もジェラートを食べることにする。 レモンシャーベット + カカオで 9 ユーロ (1400 円くらい)。 買ったときは何も考えてなかったけど、いくらなんでも高すぎねえ? 高いけど、さすがに昨日のよりうまかった。 コーンの底までぎっちり詰めてくれるし。 暑いときはシャーベット系、涼しいときはクリーム系がよさげ。
▼シニョリーア広場
ウッフィツィ美術館直前の広場。 正面の建物は屋外だが彫刻がいくつか飾ってある。
ウッフィツィでは、予約をする場合、 まず 3 番窓口で予約券と入場券を引き換えて、 それから予約専用入場口 (2 番) に並ぶ。 予約の時間はまだだけど券だけでも先にもらえないかなーと思ったが、 「時間になってからまた来い」と言われて追い帰されてしまった。
しょうがないので、ウッフィツィの先にあるヴェッキオ橋でも眺めることにする。
▼ヴェッキオ橋
カラフルだー。 内部には首飾りとか宝石とか高級服飾とか、 とにかく俺には縁のなさそーな店が並んでいる。
▼ヴェッキオ橋 (ウッフィツィ美術館から)
ちなみにウッフィツィ美術館の渡り廊下からもこの橋はよく見える。 上の写真はあとでウッフィツィの中から撮ったもの。
まだ時間があったので、なんとなくドゥオーモへ戻ってみる。 その途中、道の向こうに巨大な門が見えたので、そっちへ行ってみることにした。
▼共和国広場
地図で調べると、共和国広場というところらしい。 またしてもヴィットーリオエマヌエーレ関係 (たぶん)。 この広場にはカフェもいっぱいあったので入ってみようかと思ったが、 このへんで時間がなくなってきたのでウッフィツィ美術館へ戻ることにした。
▼ウッフィツィ美術館前
ウッフィツィ美術館前はさすがに人が多い。 ついでに、観光客を当てこんでいろんな人がいる。 似顔絵を書く人からツタンカーメンのコスプレまで、変人が多い。
ウッフィツィにはかなり厳重なセキュリティチェックがあり、 ペットボトルは持ち込み禁止だった。 ちょうど水を買ったばかりだったが、捨てるハメになった。 あと、トイレが (8 室あるのに) なぜか 1 室しか使えなかった。 せこすぎる。
さてウッフィツィ美術館は (トイレはせこいが) とにかくすごい。 ありえない。メディチ家がんばりすぎです。 ボッティチェリの『春』『ヴィーナスの誕生』 ラファエロのマドンナ、 ミケランジェロの『サクラ・ファミリア』 ダヴィンチの『受胎告知』 ティツィアーノの『ウルビノのヴィーナス』など、 世界史の教科書にも必ず載ってる名画が腐るほどある。
ちょっと待ってると日本人の観光ツアーが来たので、 ついでに解説を聞いておくことにした。 観光客が多いとこういうときに便利だな。
あと、このときウッフィツィではダヴィンチコードにあやかったのか、 ダヴィンチ特集をやっていた。よく見る、人間が丸の中に入ってる絵とか、 なんかいろいろあった。
「なんかいろいろ」というのも適当な話だが、 とにかく所蔵点数が多すぎて、普通に見ていくだけで力尽きる。 このときは前日のローマで体力を削りすぎたのも効いた。 もうね、16 室 (ルネサンス) のあたりから腰が痛くて痛くて……。
ウッフィツィ美術館を出て、ちょっと時間があったので、 遅い昼ごはんを食べることにした。 気合いを入れてカフェに入ってマルガリータとビールを頼む。 昼間からビールとはおめでてーな。
で、マルガリータ。
な、なんだこれは……。 日本のと同じピザとは思えないほどうまいんですけど。 正直、食いもので泣きそうになるとは思わなかった。
はー、うまいものを食えて満足だ。 え、食後にコーヒーが付くの? (……とか思ったが、そんな考えは甘い。きっちり請求されますた)
のんびりコーヒーを飲んでたら、電車が発車するまで残り 20 分だった。 シニョリーア広場からフィレンツェ S.M.N. まで何分かかるんだっけ ……ちょ、これってやばくね? ダッシュ! うう、ビール飲んで走ると吐きそう……。
なんとか 10 分で着いた。スーツケースを取り戻して残り 8 分。 そして掲示板を見るが乗る電車の表示がない (イタリアでは駅で表示を見るまで発車ホームが確定しない)。
マジでない。EURO Star がない。各停しかない。どうなってるんだこれ。 時計を見ると残り 4 分で、血の気が引く。 やばい。これは形振り構ってたら日本に帰れなくなるな。 そのへんを歩いてた警備の人をとっつかまえて、どれに乗ったらいいのか聞く。
10 番線に乗れと言われた。 いや、つーか、10 番線には何もないんですけど……。 と思ってたら、発車時刻になって電車が入ってきた。 そうか、フィレンツェ S.M.N. はテルミニと違って始発駅じゃないから、 時刻になってから入ってくるんだな。
ところで掲示板の表示のことだが、あとから思い返すに、 どう考えてもその番線の電車は最初「REG (各停)」と表示されていた。 でも、なぜかしばらくすると「ES* (EURO Star)」になってたような気がする。 適当だな。
あと、このときはヴェネツィアに行こうとしていたのだが、 電車はヴェネツィア行きではなくウーディネ行きだった。 そのせいもあって、すぐに目的の電車が把握できず、混乱したわけだな。
まあ何にしても乗れてよかった。 なんでこう毎日毎日ギリギリなんだ (計画性がないからです)。 昨日の電車は直通便だったけど、 今日は途中の駅にいくつか止まりながらヴェネツィアへ向かう。 それに、これまではずっと遅い電車だったから景色が見えなかったが、 今日は 16:30 発でわりと早いので、景色が見える。 まあ、畑ばっかりでなんもないけどな。
そして今日も自分の席には誰かが座っていた。
荷物を置いていたのはじーちゃんばーちゃんの二人連れであった。 本当に適当だなあ。 前の席のおばちゃんは「さっさとよけて座れ」 とかなんとか言って速攻で荷物をどけてくれた。親切だ。
ちなみにこのおばちゃんは窓のブラインドを手で開けようとして 苦労していたが、実はこのブラインドは自動式である (窓の下にスイッチがある)。
ヴェネツィア・メストレ駅に到着〜。 よく知られている通りヴェネツィアは海上にあって、 その付け根のとこがメストレである。 島にある駅はヴェネツィア・サンタルチアと言う。
まあでもメストレでもヴェネツィアの一部だよなー、 とか浮かれてたわけですが、
▼UNIX?
これはメストレにあった看板なわけですが、 それはどうでもよくて、
ようするに今日も道がわからんのです。 どうしてこう毎日毎日ホテルに辿りつけないんだろうね。
いや、だってさー、あとからわかったんだけど、 メストレのホテルは、メストレ市街地と反対側だったんだよ。 駅にもそっちの側の地図はなくて、駅の売店にも地図なんて売ってないし。 結局、駅の [i] (information) で聞いて教えてもらった。
ホテルへの道が工事で塞がれてたり、とかのハプニングもあったが、 まあ、こんなのはもうハプニングにも入らないな。 4 車線の道路を横断して解決。
ホテルについた。今日のホテルは隣が Bar か。 うるさそうだなあ。あと、0F はたまねぎのようなにおいがする。 部屋は 240 (日本で言う 3F)。
ところで、また物理鍵だな。 カードキーなんてどこにもないじゃん。 やっぱり日本やアメリカと同じように考えてはいけないようだ。
部屋はまた狭い。もうどうでもいいけど。 そしてシャワーの仕切りがない。シャワーを出すとそのまま直に便器にかかる。 しかもバスルームのほうが部屋より床が高くて、 シャワーを使うと水が部屋に流れる。 どう考えても構造的に欠陥があるだろこれは。 シャワーを使ってみると、お湯が死ぬほど熱い。 ノブが二つあるのに両方お湯 (?) で、温度が調節できない。 これは嫌すぎる。 よりによってこの部屋で 2 泊かよぉー。
ところで、イタリアのホテルの部屋はなんで どこもかしこも椅子が机からそっぽ向いて置いてあるんだろうね。 カッコいいから?
(02:16)
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