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2006-05-15

Windows で LazyLines を動かす (2) exerb と WEBrick でウハウハ作戦

Apache を動かすのは面倒すぎる。 HTTP サーバを同梱してしまうことにした。 と言っても Haskell で書くのはダルいので、 Ruby で WEBrick を使って書き、exerb でバイナリ化する作戦。

えーっと、インストールして、レシピファイル作って、exerb、で OK?

~/c/stdhaskell/src/lazylines % mkexr server.rb
....
^C
~/c/stdhaskell/src/lazylines % exerb server.exr
~/c/stdhaskell/src/lazylines % ./server.exe
server.rb:3:in `require': No such file to load -- webrick (LoadError)
        from server.rb:3

ありゃ? なぜだろう。なぜかしら。

なんだか理由はよくわからないが、 Cygwin 版の Ruby を使ってるのがなんかまずいような気がしてきた。 これでは拡張ライブラリが使えないだろう。たぶん。 Windows 再インストール以来 VC++ でコンパイルしてないので、しよう。

nmake がネーヨ、とか (vcvars32.bat を実行するの忘れてた)、 bison がネーヨ、とか (Cygwin で実行してごまかす) 言われつつもコンパイル成功。

……しまったあああ! --prefix 付けるの忘れてた! コンパイルしなおしだ。

もいっかい exerb をやりなおす。

~/c/stdhaskell/src/lazylines % ruby-vc -rexerb/mkexr server.rb
....
^C
~/c/stdhaskell/src/lazylines % exerb-vc server.exr
~/c/stdhaskell/src/lazylines % ./server.exe
server.rb:3:in `require': No such file to load -- webrick (LoadError)
        from server.rb:3

あれ? まだだめか。 もっと小さいスクリプトで試してみると、 require が入った瞬間にだめになるようだ。なぜだろう。

根拠なく、コアが何か違うのかなーとか疑ってみる。 とりあえず Ruby 1.9 コアを自分で作ってみるか。 えーと、VC++ で…… .dsp を開けばいいのかな。違った。.dsw のほうだ。

あー、プロジェクトが古いから鬼車が入ってないな。ファイルを登録する。

regex.c はいらないっと。 ファイルを削除するには……削除するには……あれ? 削除できないのかな。 とりあえず「このファイルはコンパイルしない」をチェックしておこう。

あああ、今度は exerb.cpp で大量のエラーが。 winsock2.h でエラーが腐るほど出ているなあ。なんだこれ。 俺の当てにならない勘によると、#include 順による問題と見たー。 ファイル冒頭の

#include <windows.h>
#include <ruby.h>

を逆にしてみる。

通った。すげえな俺の勘。奇跡だ。 全ての *.cpp で ruby.h を先に #include するように変更。

今度はリンカでエラーが出るなあ。えーと、未解決シンボルが 58 個?

NtSyncProcess, SafeFree, Win32System, definekey, do_aspawn, do_spawn,
mark_hash, mark_tbl, pipe_exec, rb_big_rand, rb_frame_last_func,
rb_inspecting_p, rb_io_flags_mode, rb_obj_id_obsolete, rb_protect_inspect,
rb_values_at, re_mbctab, re_set_syntax, ruby__end__seen, ruby_class,
ruby_eval_tree_begin, ruby_in_compile, ruby_parser_stack_on_heap, ...

新しい Ruby に存在しないシンボルが全部しくじってるのかな。 どっかに古いシンボルテーブルが残ってると見た。

どっか、どころじゃない。 src/exerb/*.def を全部アップデートしなきゃいけないんだ。 これ、いかにも自動で作れそうなんだけど、なんかルールがないのかな。

む。Ruby 本体に msvcrt-ruby19.def というのがあるな。 これを使えばよいのか? とりあえず素直にコピィしてみる。

おお! 未解決シンボルが 6 個に減った! これは単にファイル追加忘れっぽいな。 enumerator.c, ascii.c, euc-jp.c, sjis.c を追加。

2 つに減った。えーと今度は __imp__WSASocketA@24 と __imp__WSAEnumProtocolsA@12 がないらしい。 WinSock のインポートライブラリをリンクしろってことかなあ。 Ruby 本体もリンクしてたっけ?

……なんかしてるなあ。 ws2_32.lib というのがそれっぽい。 これをリンクすればいいのだろうか。

えーと VC++ でリンクするライブラリを追加するには……。 [プロジェクト]→[プロジェクトへ追加]→[ファイル] で C:\Program Files\Microsoft Visual Studio\VC98\Lib\WS2_32.LIB を追加か。

なんとなく通ったようだ。

あれれれ? できたファイルはどこにあるのー!

わかった。project/ruby190c/debug の下だ。 よし! 作ったばっかりの新コアを使ってみるぜー!

~/c/stdhaskell/src/lazylines % mkexr server.rb
....
^C
~/c/stdhaskell/src/lazylines % exerb server.exr -C ruby190c.exc
~/c/stdhaskell/src/lazylines % ./server.exe
server.rb:3:in `require': No such file to load -- webrick (LoadError)
        from server.rb:3

変わらねえ―――っ!

(次回に続く)

(05:24)

Windows で LazyLines を動かす (3) exerb 激闘編

いま突然気付いたッ! 天啓が来ました。 もしかてもしなくても、 exerb の require は独自実装なんじゃないか? っていうか、そうじゃないとおかしいだろ > 俺

ということは、eval.c を単純に上書きしてしまったからダメなのに違いない。 それじゃ最初はどうして失敗したのかなーとかいう疑問もわいてくるんだけど、 このさい弱気になるのは禁止風味で行くことにしよう。

exerb の eval.c を調査。

VALUE
rb_f_require(obj, fname)
    VALUE obj, fname;
{
    return exerb_require(fname);
}

やっぱりそうだ。require の中身が置き換わってる。 exerb-3.3.1/src/ruby-1.9.0/eval.c もこれと同じように書き換えてみる。

……まだだめだー。 やっぱりちゃんとした (?) バグなのか。 嫌だなあ。つくづく嫌だなあ。なんかめんどくさくなってきた。 Ruby のバイナリとかライブラリとか全部添付して済ませようかなあ。

しかし、何か変だな。ようするに、require を使ったときは、 exerb は最初っから最後まで動いてないわけだ。 いくらなんでもここまで変なら誰か気付くよなあ。 全然動かないってのは何か変だ。

あ……? わかつたー! たぶん $" に入るファイル名がフルパスになったからだ! そのせいで exerb_find_file_inside() がしくじってる。 ということは、もしかして、失敗するのは 1.9 限定?

やっぱり 1.8 は通るじゃん。うわーん。

(06:29)

Windows で LazyLines を動かす (4) exerb 死闘編

exerb を使ったときだけ WEBrick の CGI が動かねえ。

な、な、なんで…… ruby を popen してんだよおおお―――――!

うう、そりゃそうだ。 fork がないんだから popen するしかないか。 うわぁーん。

おにょれ、ここであきらめてたまるか……。 今度は webrick/httpservlet/cgi_runner.rb を exerb で実行ファイル化、 あーんど、webrick/httpservlet/cgihandler.rb をベタ書き換えだー。

~/c/stdhaskell/src/lazylines % ./server.exe
[2006-05-15 06:56:33] INFO  WEBrick 1.3.1
[2006-05-15 06:56:33] INFO  ruby 1.8.4 (2005-12-24) [i386-mswin32]
[2006-05-15 06:56:33] DEBUG TCPServer.new(0.0.0.0, 10080)
[2006-05-15 06:56:33] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is mounted on /.
[2006-05-15 06:56:33] INFO  WEBrick::HTTPServer#start: pid=3100 port=10080
[2006-05-15 06:56:41] DEBUG accept: 127.0.0.1:1597
[2006-05-15 06:56:41] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is invoked.
nocturne - - [15/May/2006:06:56:41    ] "GET / HTTP/1.1" 200 929
[2006-05-15 06:56:41] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is invoked.
nocturne - - [15/May/2006:06:56:41    ] "GET /default.css HTTP/1.1" 304 0
[2006-05-15 06:56:49] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is invoked.
nocturne - - [15/May/2006:06:56:49    ] "GET /?cmd=view;name=LazyLines HTTP/1.1" 200 930
[2006-05-15 06:56:57] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is invoked.
nocturne - - [15/May/2006:06:56:57    ] "GET /?cmd=view;name=WikiClone HTTP/1.1" 200 842
[2006-05-15 06:57:02] DEBUG WEBrick::HTTPServlet::FileHandler is invoked.
nocturne - - [15/May/2006:06:57:02    ] "GET /?cmd=view;name=LazyLinesSyntax HTTP/1.1" 200 2507

よっしゃ動いたー! 完・全・勝・利!

(06:56)

LazyLines を Linux で動かす

しまったああああ! Linux より Windows のほうがインストールが楽になってしまった…… orz Linux ではバイナリは通用しないし、結局 Apache の設定を説明しなきゃいけないのか。 うざー。

なーんか面倒だし、ruby をインストールしてもらうことにしようかなあ。 それとも gcc は当然入ってるよねっ、 ということにして C でウェブサーバを書く (ふつりな再利用) か。 それすらも面倒だから Ruby のソースコードを まるごと入れといてコンパイル……とか……だめっすかね……。だめですね……。

(08:09)

LazyLines を Windows で動かす (終)

せっかく作ったので Windows 用 LazyLines バイナリ (+ HTTP サーバ) にリンク張っとく。

使いかた……ダウンロードして、解凍して、server.exe をダブルクリック。 同じホストのウェブブラウザから http://localhost:10081 にアクセス。終

(08:34)

LazyLines を Linux で動かす (2)

スタティックリンクした ruby を添付、という手はあるな。

sh で書いてある HTTP サーバを探す、とか (しかし改造するのがダルいなー)。

あとは…… C で書いた HTTP サーバをスタティックリンクする? なんかこれが一番楽そうな気がしてきたぞ。

続きは帰宅後。

(09:27)

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