http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20074961,00.htm
ちょ、ちょっと待て! なんなんだこれは。 もし本当にこの文面通りの特許なら、 分散オブジェクト関係が軒並やばいんじゃないか?
ちょっと調べてみた。 特許の素人が abstract と claim を斜め読みしただけなので信用しないように。 気になったら自分で原文を読んでください。 (Detailed Description に具体的な API が載ってるので、 プログラマならそれを見るのが早いかも)
この二つは data と object の違いだけ?
うむむ……。型から object manager を invoke してオブジェクトを得る機構? COM で言うと COM サーバを検索・起動してプロクシインターフェイスを 用意する部分 (CoXXXX と ORPC) が該当するのかな。 こっちは主に in-process activation を書いているようだ。
そんでこっちが out-process activation だろう。
いったんクラスオブジェクト (?) (原文の object manager) を検索してオブジェクトを得る、という段階が重要みたいだし、 "... A matchmaker facility permits two processes that are to cooperate..." と書いてあるあたりから推測しても、 単なるオブジェクト指向言語処理系は念頭にないように思える。 主眼は分散機構だろう。あと "Customized versions of resources can be created and co-exist with standard resources" はインターフェイス継承っぽいし、 「クラスを得てオブジェクトを得る」みたいなことが書いてあるので オブジェクト指向じゃないのは該当しないと考えてよさそう。 つまり RPC とか doors みたいな単なる手続き呼び出しは該当しないと思う。 当然だけど fork-exec みたいのも該当しないだろう。 ニュース記事だと「助けを求める」とか書いてあるから妙に広く見えるけど、 例によって全然当てにならない模様。
総合して考えると、とりあえず COM は当たりの予感。 が、MS はすでにライセンス供与を受けてるらしいので射程外。 その代わりに Mozilla の XPCOM が大当たり。 GNOME・KDE のオブジェクトシステムもダメだろう。 Sun がどこの部分に対して金を払ったのかわからんけど、 該当するのは RMI あたりだろうか。 dRuby はセーフ? でもクラスオブジェクトをリモートにズラズラ並べて 名前から検索して new、みたいなことするとアウト?
うーん、もしこの特許がすぐ取り消しにならないようなら、 ソフトウェアと特許、両方の知識がある人にちゃんと解説してほしいな。
groklaw というところで議論してるみたいだが、 とんでもねー量になっててとても読めん。
あ、Java に関してはソースがあった。
RMI, IDL, JAE が問題らしい。やっぱり分散機構だな。
(19:21)
http://japan.internet.com/busnews/20041008/10.html
む、
> ニューヨーク西区連邦地裁の Michael Telesca 判事は、 > 同訴訟を「権利制限付き」で棄却する文書に署名した。 > 権利制限付きとは、Kodak が別の裁判所で同じ訴訟を起こした場合、 > 同社の主張が却下されるリスクを伴うことを意味する。
なのか。ということは追加訴訟のリスクはちょっと少なめなのかな。 今回 Sun から金をせしめられればよかった、ということもありうる?
(21:49)
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1992年半ばにfileされてますね。確かに、DCEだの何だのって分散オブジェクト環境とかコンポーネントモデルが取りざたされるようになったのが1990年代半ば、多分1993年頃からだったような記憶があります。そのタイプの分散オブジェクトブローカー技術としては、このパテントも先行研究の一つではあるのかもしれません。でもプロセス越えの分散オブジェクト技術なんてもっと前からあるわけで(ACMで"distributed object"で検索すると1980年代の論文もたくさん出てくる)、Sunなどが折れてるのは不思議ですねぇ。何か技術的にとてもspecificな点に引っかかってるのかなあ。
MS, IBM, hp あたりがみんなライセンス取得済っていうのが
嫌な感じですね。たいしたことない特許かと思ってましたけど、
実は結構クリティカルなんでしょうか。どこがひっかかるのかなあ……。