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2004-03-30

『結城浩のWiki入門』レビュー

そういうわけでレビューです。 けっきょく発売日になってしまったか。

『結城浩のWiki入門』 結城浩著、B5 変形 224 ページ、インプレス、2004
サポートサイト: http://www.hyuki.com/wb/index.html

  • 買うべき人

特定の組織やコミュニティで情報を共有する場が欲しい人。 個人的なメモ書きやデータベースを作るシステムが欲しい人。 手軽なサイト構築ツールが欲しい人。 あと、WikiWay が厚すぎて読む気にならないけど Wiki には興味があるという人にもお勧め。

  • 買う必要がない人

すでに WikiWay を読んだ人は買う必要なし。

  • 短い総評

WikiWay のおいしいところだけ選んで教えてくれる本。 日本向けの細かいローカライズがされているのもよい。

  • 長い総評

なんでもそうだけども、 道具が役に立つにはまず目的がないといけない。 Wiki で言えば目的は 「資料をみんなでまとめたい」とか 「文章をレビューしてほしい」とか 「サイト更新の手間を減らしたい」とかであって、 「Wiki を使いたい」ではないはずだ。

そういう意味では、「Wiki」と題名に入れてしまった時点で、 本来その本を読んで役に立たせられる人よりも読者層を せばめているわけで、ある意味すでに負けている。 しかも Wiki の場合は元々の定義が緩いこともあってか、 ツールが異様に広い目的範囲をカバー「してしまう」。 それこそ個人用メモ書きから超巨大コミュニティまで。 ツールと目的が一対一であれば何に使うかなんて迷わなくて済むが、 Wiki はその正反対だ。 だから、Wiki が具体的に何に使えるかが書いてあるのは Wiki 初心者 (この本が対象とする読者) にとっては 非常に重要なことだと思う。

その点から言って、この本はよくできている。 まず最初に Wiki の仕組みが簡単に説明されて、 次に具体的な目的が来る。 でもって 4 章になってやっとインストールになる。 これは Wiki 初心者向けの構成として最適であると思う。 端的に言うと、良書。

最後に章ごとの内容を紹介しておきます。

  • 第 1 章 「Wikiって何?」

会社でプロジェクトの進捗を管理したり 作業日誌をつけるというシナリオのもと、 Wiki の典型的な使われかたを紹介していく。 結城さんの著書の例にもれず進行がおだやかで、 情報が多すぎないところに好感が持てる。

  • 第 2 章 「Wikiの利用シーン――個人から世界まで」

Wiki の使用例が具体的にいろいろ出ている。 もしかするとこの本で一番重要かもしれない章。 Wiki に向いている作業だけでなく、 「Wikiに向かない作業」もちゃんと挙げてくれるところがよい。

  • 第 3 章 「YukiWikiに触れてみよう」

YukiWiki で稼働しているサイトをブラウズ・編集する方法を紹介する。 やったら薄い章だが、この章は薄ければ薄いほどよいと思う。 ただ使うだけのためにえんえん長い説明が必要なようではやる気も失せる。

  • 第 4 章 「YukiWikiをインストールしよう」

Windows XP でのインストール。略。

  • 第 5 章 「YukiWikiを使ってみよう」

一般的な使いかたと文法の話。略。

  • 第 6 章 「YukiWikiのカスタマイズ」

カスタマイズと聞いて一瞬 ソースコードをガリガリ書き換えるのかと思ったけど、 さすがにそんなことはなかった。 リソースの変更とか CSS の編集とかの話をする。

  • 第 7 章 「YukiWikiの運用――Wikiを生かすために」

Wiki を実際に運用するうえで気をつけることとか、 指針が書いてある。これも重要な章だな。 「リファクタリング」「小人さん」など、 比較的プログラマよりの言葉をちゃんと使ってもらえるのは なんとなく嬉しい。

ところでそのリファクタリングについて、 p.185 に以下のような文がある。

「ページの目的にもよりますが、 いくつかのコメントで議論が決着したり、 事実関係が確認された後は、 コメント部分は削除してしまい、 結果だけを要点としてまとめてしまうのも一法です」

このような場合に最も問題になるのは、 「人の書いたものを消すのはためらわれる」 という心理的な壁ではないだろうか。 この障壁に対する一つの解が、バージョン管理システムを使うことだと思う。 バージョン管理システムが入っている Wiki では過去の内容がすべて残るから、 いつでも元の内容を見られるし、復活もできる。 だから完全に消してしまうよりもずっと気軽に編集できるはずだ (と、さりげなく BitChannel に有利な発言を混ぜておく)。

  • 第 8 章 「あなたの世界を広げるWiki―― InterWiki, RSS, Trackback」

タイトル通りの内容。拡張技術を紹介している。

「アグリゲートする」って一般的かなあ?

なぜプラグインの話がここに入っているのかわからない。 分類的には第 6 章あたりに入るものじゃないのかな。

む、最後に「Wiki を作る 10 のポイント」 なんてものがある! これは答えずにはいられないな。

  • プラットフォーム

開発言語は Ruby。 プラットフォームは Ruby が動くところはほとんどだけど、 比較的マシンパワーが潤沢にあることを前提としている。

  • ユーザ

(めんどくさいので) 深いことは考えない。誰でも書け!

  • コンテンツの表現能力

可能な限り厳選したブロック構造と、ハイパーリンクのみ使う。

  • ページの名前

WikiName はそのまま採用した。 日本語ページ名はできるだけ使いたいけど、システムはまだ考え中。

  • ページの構造と長さ

できるだけ小さくフラットな構造のページを密なリンクで結合する。

  • カスタマイズ性

重視しない。

  • バージョン管理

バージョン管理は必須。 別に CVS にこだわっているわけではないが現時点で CVS 以上に適当なシステムはないと思う。

  • アウトプット

とりあえず HTML 動的生成だけだけども、RSS には対応したい。 気が向いたら PDF 出力に対応してみるのもいいかもしんない。

  • 他サイトとの連携

ハイパーリンクがあれば十分かなあと。 あ、RSS はこっちに入るのか。

  • Wiki か WikiFarm か

これは衝突する話なのかなあ。 まあ、WikiFarm は導入するつもり。

(20:38)

Ruby花見

[ruby-list:39448]

今度は東京で Ruby なお花見をやるそうです。 いつもながら高橋さんがいろいろ企画してくださるのでありがたいですねえ。

お祭人間として当然行きます。

(20:43)

BitChannel / 日本語ページ名 (9)

圏外からのひとこと効果でリファラが爆発してるなあ。

それはともあれ、必死こいて自転車をこいでいたら さらに別のアイデアを思いついたぜ!

「麻雀ルール」

大三元: 漢字 3 文字 + ひらがな 3 文字 + カタカナ 3 文字

字一色: 漢字 9 文字

四暗刻: 同一文字種 3 文字 × 4

七対子: 同一文字種 2 文字 × 7

まあ、よくよく考えると役になってるのか怪しいけど、 どうせ元から怪しいんだから厳密に考えちゃいかん。 どうせなら大型の役で名付けたほうが派手だからいいのだ。

国士無双とか天和は難しい。 というか、順序の組とか副作用 (e.g. ツモ) に頼った役だとエミュレートしても使いようがないから、 同一牌の役しかないわけだな。

役ごとに CSS class が変わる?

点数計算もすべきだろうか。 ページごととサイトごとで。

なんだかこれはもう実装するしかないって気になってきた! 定石から行くと名前は bit雀nel だろうな。

一つのしくみで五七五もカバーできそうだが、 ひらがなだけにするといろいろ問題がありそうだ。

(20:45)

ruby-dev summary

うわ、また ruby-dev summary 忘れてたよ……。

(21:04)

BitChannel / 日本語ページ名 (10)

五言絶句という手もあるな。

つーか長すぎ。

(21:05)

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
なかだ (2004-03-30 22:38)

それは中国語(つーか漢文?) > 五言絶句

青木 (2004-03-30 22:39)

いや、だから漢詩で書くんですよ。

たむら (2004-03-30 23:15)

じゃ、七言律詩も(おやくそく)

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